しまっておいたストーブ

秋が既に大分押しやられて、冬が来ているのを認めざるを得ない頃。

アタマの中に流れ出す曲のひとつが、風の「3号線を左に折れ」

f:id:photo443:20191127173421j:plain(アルバム「かぐや姫フォーエバー」付属の写真集より)

正やんは、かぐや姫当時、既にアルファオーナーだったのですね。

http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B14325

 

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3号線。当然、首都高 渋谷線だと思っていました。

もう何の迷いも疑いもなく。

なにしろ

 

都会に住んでる人達は

時には海へ行きたくなる

車飛ばしながら ふとそう思う

 

とくるのです。神奈川にいたので、都会と言えば東京。

環7の内側在住の東京人が、ふと思い立って海といえば

やはり湘南・西の方?

でも3号を降りて左というのは、環8のこと?

でもその先の海へ、果たしてホントに行きたいんだろうか…

いつもその辺りで、とりとめないもの思いは

行き止まりになっていたのでした。

 

本物の3号線が、九州に有ったとは露知らず。

 

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でも、「車を飛ばしながら ふと海へ行きたいと思ってしまう」

大いに共感できるところです。

いつもと変わらぬミニドライブ。それが代わり映えのない日常の時間から

「ふと」非日常へと、逸れて行く入り口になっているのですね。

 

思い立って とまで行かなくとも。

ただ「ついウインカーを出してしまった」だけで、もはやいつもの

クルマ散歩ではなくなるのです。

 

この海で写した二人の

記念写真を今埋めて

想い出は返そう 出逢った海へ

 

そして、本当に海まで来てしまった彼は

昔の恋人に話しかけるのでした。

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(そんなにいつも夕焼けが綺麗なわけじゃありません。

 なんてことのない、でも誰かが誰かと❝出逢った❞ 海  )

 

ドライブの終わりに、写真を海に埋めるつもりなんて

最初は全く無かったと思うのです。

ですから、彼は何時でも二人の写真を

大切に身に着けていたのでしょう。

 

写真は手放しても、ずっと忘れない。

そんな事を、浜辺で話しかけていたのでしょうか。

 

そして再び車で辿る家路。

 

あの街並みが見える

遠くかすんで

しまっておいたストーブ

もう出さなければ

いけない季節です

 

もはや遠く霞んだ街並みは、二人でいた日々?

そしてストーブの話で、日常(現実)の時間へと向かうのでした。

最後だけ「です」をつけて、本当に普段に戻ってきた感じ。

ガレージでイグニッションをオフにして、家へと入って行くのでしょう。

 

気まぐれドライブが、存外忘れえぬひと時となる。

ごく稀にですが、そんな時があるのかも知れません。

 

何かのはずみで、忘れていた事を思い出した折など

自分にとっての3号線を、ふと左に折れてみるというのは如何でしょう?

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蛇足ですが。

冒頭の「かぐや姫フォーエバー」付属の写真集。 

その背表紙に、ちいさくSee you again と記されているのを

見つけたときは、なんだかとても嬉しかった。

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そしてその約束は、いずれ本当に果たされる事となるのです。      

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