秋が既に大分押しやられて、冬が来ているのを認めざるを得ない頃。
アタマの中に流れ出す曲のひとつが、風の「3号線を左に折れ」
正やんは、かぐや姫当時、既にアルファオーナーだったのですね。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B14325
3号線。当然、首都高 渋谷線だと思っていました。
もう何の迷いも疑いもなく。
なにしろ
都会に住んでる人達は
時には海へ行きたくなる
車飛ばしながら ふとそう思う
とくるのです。神奈川にいたので、都会と言えば東京。
環7の内側在住の東京人が、ふと思い立って海といえば
やはり湘南・西の方?
でも3号を降りて左というのは、環8のこと?
でもその先の海へ、果たしてホントに行きたいんだろうか…
いつもその辺りで、とりとめないもの思いは
行き止まりになっていたのでした。
本物の3号線が、九州に有ったとは露知らず。
でも、「車を飛ばしながら ふと海へ行きたいと思ってしまう」
大いに共感できるところです。
いつもと変わらぬミニドライブ。それが代わり映えのない日常の時間から
「ふと」非日常へと、逸れて行く入り口になっているのですね。
思い立って とまで行かなくとも。
ただ「ついウインカーを出してしまった」だけで、もはやいつもの
クルマ散歩ではなくなるのです。
この海で写した二人の
記念写真を今埋めて
想い出は返そう 出逢った海へ
そして、本当に海まで来てしまった彼は
昔の恋人に話しかけるのでした。
(そんなにいつも夕焼けが綺麗なわけじゃありません。
なんてことのない、でも誰かが誰かと❝出逢った❞ 海 )
ドライブの終わりに、写真を海に埋めるつもりなんて
最初は全く無かったと思うのです。
ですから、彼は何時でも二人の写真を
大切に身に着けていたのでしょう。
写真は手放しても、ずっと忘れない。
そんな事を、浜辺で話しかけていたのでしょうか。
そして再び車で辿る家路。
あの街並みが見える
遠くかすんで
しまっておいたストーブ
もう出さなければ
いけない季節です
もはや遠く霞んだ街並みは、二人でいた日々?
そしてストーブの話で、日常(現実)の時間へと向かうのでした。
最後だけ「です」をつけて、本当に普段に戻ってきた感じ。
ガレージでイグニッションをオフにして、家へと入って行くのでしょう。
気まぐれドライブが、存外忘れえぬひと時となる。
ごく稀にですが、そんな時があるのかも知れません。
何かのはずみで、忘れていた事を思い出した折など
自分にとっての3号線を、ふと左に折れてみるというのは如何でしょう?
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蛇足ですが。
その背表紙に、ちいさくSee you again と記されているのを
見つけたときは、なんだかとても嬉しかった。
そしてその約束は、いずれ本当に果たされる事となるのです。